うつ病と言われて涙が止まらず病気を認めざるを得なかった ②
まさか診察を断られるとは予想しておらず想像以上のダメさに呆然。
自傷する可能性のある患者は夜間対応できないから無理というのが
理由らしい。すでに心が折れそうだったが、ネットで見つけた当日
初診OKの精神病院に電話をして列に並ぶ事にした。
その病院は駅から遥かに離れた丘の上。倦怠感が激しいのに何故か
必死に歩くのはどのバス停か分からなかったのと自虐的になってる
せい。40分程坂を上ったところでようやく白い建物が見えてきた。
「あの、初めてなんですけど」
「紹介状有りますか?」
「こういうところは初めてです…」
「はい、じゃあ問診票記入してお待ちください」
最初のクリニックと比べて素っ気ない対応と待合室のパイプ椅子が
落ち着かない。隣室からはよく分からない大声が響いてくる。
2時間程で待合室が空になってからようやくスピーカーで呼ばれ診察室
に入ると年配の柔和そうな先生が待っていた。
「あの…何から話せば…」
「眠れない理由は思い当たりますか?病院で何を治されたいですか?」
「あっ…えと…」
思いがけず結論ありきだったので言葉に詰まってしまった。仕事の相手
なら満点だが今は厳しい。とりあえず仕事の環境の急変に対応できず
今は行き詰まってしまった経緯を早口で話したところで先生がにっこり。
「つらいこと話すのって勇気要るよね。よく来てくれましたね。」
年甲斐もなく一言で完落ちした。
続く